個人事業主が法人成りする際のタイミングやスタートアップ支援について
2022/12/2 2022/12/8 地域活性化
はじめに
元々私は個人事業主として3年間活動しておりました。
個人事業主では事務処理等もある程度単純ですし、世の中には便利な会計ソフトもあるので苦労はしませんでしたが、法人となるとそうもいきません。
法人成りを考えた際に、まず何からするべきなのか。
専門家には誰に相談すれば?税理士?司法書士?行政書士?
また、個人事業主から法人になるべきタイミングや、法人化する際のメリット、デメリット等についても自らが得た知見を元にご紹介したいと思います。
個人事業主から法人化を視野に入れる際のポイントについて
個人事業主として続けていくか、組織として動いていくか。
そもそも将来的にどのようなビジョンを持っているかによって変わってきます。
それを元に逆算していくのが定石なのは前提ですが、節税面や国の制度によって”法人化を考える目安とすべきポイント”はあります。
年収が1,000万円を超えるか否か
個人事業主にかかる税金は主に以下です
- 国民年金
- 国民健康保険
- 住民税
- 所得税
- (消費税)
- 予定納税
- 個人事業税
- 復興特別所得税
中でも、個人事業主の所得税は累進課税なので、所得が多くなればなるほど高額の税金を納める必要があります。個人事業主は必要経費として認められる幅が狭いので、収入が高い場合翌年納める所得税が所得の半分ほどまで上がってしまうこともあります。
所得税の税率は以下のようになっております。(一部のみ抜粋しております)
3,300,000円〜6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円〜8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円〜17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
対して法人の税率は固定されており、年800万円以下の中小法人なら15%、年800万以上の場合は23.2%の2段階となっています。
さらに、課税売上高が1,000万以下の場合消費税を納める義務がないのですが、1,000万円を超えると個人事業主でも課税事業者となります。
この課税売上高というのは経費を差し引いた額ではなく、課税対象となる総売上高なので注意が必要です。ただ、消費税については後述しますインボイス制度にも関係してきますので、単純に”1,000万円以下なら払う必要がない”とはなりませんので、本記事下部を参照ください。
しかし、所得税が33%以上になってしまう状況が続いているような個人事業主の方は、法人化をしないと税金がかかりすぎてしまうので、大雑把ですが1,000万円という数字を目安に一度検討してみると良いかもしれません。
インボイス制度との関係性について
法人化とインボイスによる適格請求書発行事業者とは直接的には関係ありませんが、通常、個人事業主が法人成りする際は新たに2年間消費税の免税期間が与えられるます。しかし、適格請求書発行事業者になるということは課税事業者になるということなので、免税期間の恩恵を受けることができません。
そのため、もし法人化を考えていてかつ適格請求書を発行する必要がある場合は、2023年10月からのインボイス制度が始まるより少しでも早く法人化しておいたほうが免税期間を長く持てることになるので、こちらも目安の一つとして検討できるかと存じます。
対して、法人化をしてもtoCサービスを中心として適格請求書を発行する必要がない事業者の方は、適格請求書発行事業者としての申請をしなければ変わらず2年間の消費税免除を受けることができるので、ご自身の取引先との関係性を十分に考慮してから検討する必要があります。
ちなみに、2023年10月より始まるインボイス制度で適格請求書発行事業者となるためには、2023年3月までに申請をする必要があります。
法人成りをすることになったら
どうやら法人化をしたほうが良さそうだ、または元々そのつもりだったがその時がきた。
そんな方は、まずなにをしたほうがいいのか。
身近に会社設立に詳しい方がいるならその方に相談したほうが一番親身に対応してくれると思いますが、そうではない場合にどういった手段があるのかについて記載します。
1.会社設立代行を営んでいる会社に依頼する
インターネットで検索すると膨大な数が広告と共にヒットすると思います。
しかしあり過ぎて選べないというのと、単純に費用だけで選んでいいものかと不安になるかと思います。
2.国が営んでいる中小企業支援サービスを利用する
“よろず支援拠点“という”国が全国に設置する、中小企業・小規模事業者の皆様のための経営相談所”があります。こちらに行ってみると、中小企業診断士や税理士、弁護士等との相談の機会を無料で設けてもらうことができて、繰り返し相談に通うことで特定創業支援等事業の証明書の交付条件を満たした人は、証明書の交付申請ができ、会社設立時の登録免許税の減免や、日本政策金融公庫新規開業支援資金の貸付利率の引き下げの対象となることができたりと、知らなきゃ損な情報や改善すべき点等のアドバイスが受けられ、自己知識のアップデートが可能になります。
よって、身近に会社設立に詳しい方がいない場合はまずはぜひよろず支援拠点に足を運んでみることをお勧めします。
さいごに
実際に法人化をするとなると、他にも株式会社として設立するか合同会社として設立するか、資本金はどうするか、決算月はどうするか、定款はどうするか、役員報酬はどうするか…決めることは色々とあります。
私達はシステム屋なので、アドバイスできるのは、まずはよろず支援拠点に行って診断士や税理士と相談をし、その後実際に依頼する税理士を探し、司法書士に定款の認証代行を依頼して、とステップを踏むといいですよといったところまでです。
しかし、そういった知見も持ち合わせておりますので、スタートアップでシステム制作をお考えの方や、国の補助金を申請して社内のDX化をご検討されている企業の方に対して、内情を把握したご提案もすることが可能です。
具体例としては、スタートアップで潤沢な資金がない場合。
弊社では中抜きコストの撤廃を掲げており、クライアントと近距離でのコミュニケーションも多く取れるようにしておりますので、コストが安くなり、コミュニケーションロスによる要件定義ミスも防ぐよう努めております。ノーコードツールを使ったプロトタイプのアプリ制作のスピード納品も可能です。
また、助成金申請やIT補助金等を利用したシステム開発について。
ご相談いただくことで弊社のノウハウについてはご共有可能です。
補助金が下りるのか、下りないのか。そういった絶妙な状況についても柔軟にご相談、対応が可能です。
少しでも気になった方はお気軽にお問い合わせいただければと存じます。
ご閲覧いただきありがとうございました。